イマーシブオーディオへの挑戦 その1「アンビソニックマイクの導入」 

昨今メタバースと呼ばれているネット上の仮想空間やVR技術を使ったエンタメが注目を集めていますが、これら360度に映像を投影する映像表現にはそれに合った音響システムが必要となります。
具体的には音が正面から聞こえるだけでなく横からも後ろからも聞こえなければ意味がありません。
こういった立体的な音響の事をイマーシブオーディオとかアンビソニックスサウンドとか呼んでいますが、私どもスタジオネイバーズにおいてもこの新たなジャンルに挑戦していきたいと考えています。

ということで今回はその第一弾としてアンビソニックマイクを導入していろいろと実験を行いました。なお今回の実験ではみにみに♪ぎゃんぐのお三方に協力して頂きました。
みにぎゃんの皆さんには変な事につき合わせて申し訳ない ><

ZOOM H3-VR

ZOOM H3-VR

 

これがそのアンビソニックマイク「ZOOM H3-VR」です。
比較的にお手頃な価格で手に入るアンビソニックマイクです。

 

 

 

 

さて、まず気になるのは「本当に音が立体的に録音出来るのか?」ですよね。
という事で早速音が立体的に録音出来るのかの実験です。
みにみに♪ぎゃんぐの皆さんにはマイクを囲むように立ってもらいあらゆる方向から喋って頂きました。
その様子がこちらです。
動画の音声はバイノーラル音声になっていますので是非ヘッドホンを付けてご視聴ください。

ZOOM H3-VR(ambisonics)の音声をバイノーラル変換

いかがでしたでしょうか?
左右の定位はもとより前後の定位も聞き取れたのではないのでしょうか。
こちらの音声はH3-VRで録音したアンビソニック方式(4ch)の音声をNovoNotesのプラグイン3DX でバイノーラル変換したものとなります。
なお前後の定位感についてはヘッドホンの性能に委ねる所も大きいのでよく分からなかった方もいらっしゃるかと思います。
この辺りはご自身にあったヘッドホンを見つけて頂くしかありません。
ちなみにうちのエンジニア曰くAppleのAirPods Maxが一番よく定位が分かったと言ってましたw

とは言えもしかしたら
本当に立体的に録れてるのかな?
なんとなく後ろから音が聞こえる気がするだけじゃないの?

と思っている方もいらっしゃるかと思います。
では今度はみにみに♪ぎゃんぐの皆さんにはその場から動かないで喋ってもらい
その音声を録音した後にソフト上で回転させてみましょう。
その様子がこちらです。

ZOOM H3-VR(ambisonics)の音声を回転させてバイノーラル変換

いかがでしたでしょうか?
さっきまで後ろで喋っていた子がぐるっと回って前に移動しましたよね。
つまりこれは左右と同じで前後にも定位の位置情報が記録されているので出来る技なのですよ!
そもそもアンビソニックマイクには前後ろどころか上下の区別もない360度全天球の音源定位が可能なマイクなわけですから当然と言えば当然の事でしょう。

さて、ここまで来たらお気づきの方もいらっしゃるかと思います。
それは…
360度の音源定位が可能ならば360度カメラとの相性もさぞかし良いのではないか?

はい。気になりましたのでやってみました!
実はYouTubeやFacebookなどでは既に4チャンネルの AmbiXフォーマット(アンビソニック方式の1つ)の再生が可能となっています。
つまり360度カメラの映像をぐりぐり動かしたら映像の方向に合わせて音声の定位が一緒に動くはずです。
という事で実際にやってみた動画がこちらです。

先ほど出てきた「かごめかごめ」と「フリートーク」の映像ですが、今度は360度カメラの映像になっています。
この映像にH3-VRで録音したアンビソニック方式(4ch)の音声を合わせたものです。
いかがです?画面をマウスでドラッグすると映像に合わせて音声も動きましたよね。
じつはこれスマホで観るともっと面白いですよ!!
まるで自分がみにぎゃんの3人に囲まれているような音と映像になります。
お手軽に出来ますので是非スマホにイヤホンを付けてやってみてください。

という事で今回はアンビソニックマイクを使った表現方法やその実力についていろいろ試してみましたがいかがでしたでしょうか?
実はアンビソニックスサウンドはイマーシブオーディオの一部の要素でしかありません。
これからイマーシブオーディオについてもっといろいろ調べていきたいと思いますのでご期待ください。

Posted on 2022-02-02 | Category : ネイバーズからのお知らせ | | No Comments »